市原市五井のケーキが美味しいカフェ マリーイヴォンヌ

建物について

建物について

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設計にあたり

永い設計期間であった。
最初にお話しをいただいてから10年と少し。

パリにあるサロン・ド・テのようなスノッブなものを作って、
建主ご自身が50年ほど前にあちらで学んできた。
今やフランスでも珍しくなってきたようなお菓子をだしたい。
最初にいただいた想いはそのようなものだった。

時間とともにお考えもかわってゆき最初は販売よりも造ることに重きをおいていたしたが、
だんだんと販売やサロンスペースの充実も考えられるようになっていった。

それに合わせて設計も逐次変更し、構造体も、RC、鉄骨、木造と変更していった。

これ程永くかかった理由は諸々あるが、
一つのポイントは、この敷地の特殊形状である。
都市計画道路が通ったため、旧道との間に細長ーい三角形が残った。
短辺が8メートル、長辺が50メートルという極端なものである。

この極端な細長い三角形を味方にするしかない。

その主眼は外さずに中庭案や長辺壁紙案、住宅転用案などを経て現在の形に至った。

幅が広く取れる位置に、5.5m×18mの長方体平面の空間を木造で作った。
屋根は同じく木造。
サロンに柱は欲しくないのでトラスにて。
そのトラスは、店内にそのまま表れる。
敷地の建物を建てるには細長すぎる部分は庭とした。
カフェでお茶を飲みながら、もしくはテラスへ出て風を感じながら、季節の樹々花々を眺める。
昔その場にあった紅葉も再移植した。

窓は、テラスへ向けての大開口以外は最低限のものである。
新しくできた道路を走る車と目を合わすことはほとんどない。
そして窓以外の壁に建主が50年前にヨーロッパで修業していたときの写真を飾ることにした。

カフェの少ないこの地で、この先愛される建物であって欲しいと思っている。

2014年12月 杉本設計室 杉本美穂

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